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水回り歴史よもやま話



水回り設備歴史よもやま話

水回り設備歴史よもやま話

水回り歴史よもやま話:洗面化粧台

  今は浴室の手前隣りにあるのが当たり前の洗面所ですが、浴室と共に家の中につくられるようになったのは、昭和30年代以降からです。ですから、洗面台は水回りの機器の中では最も歴史が浅いといえます。それまでの洗面は、台所の近く、たらいや桶で済まされていました。上水道の普及とともに浴室が家の中につくられるようになってからもしばらくは、脱衣室という専用スペースはありませんでした。しかし、入浴のために脱衣する空間として前室が必要になり、脱衣室が生まれ、洗面台が浴室前に置かれました。
 脱衣室とセットになったのは単に「水回りをまとめる」という考えからで、これは漏水や水跳ねが多かったことと、施工上、コスト上、水回りを近くに配置するメリットがあったからで、利便性を優先した考えからではありませんでした。
 その後、洗面所も徐々に変化してきました。 朝の洗顔中心であった洗面所も、脱衣場、身づくろいするスペースとして、さらに湯水を使って化粧を行う場など、その機能、形態は多様化して行き、使いやすさや、利便性で現在まで進化してきました。

 

洗面台、現在までの流れ

昭和30年代
壁掛け洗面器ができる。
(収納キャビネットがないタイプ)

昭和40年位
住宅公団向けの収納キャビネット付きの
洗面化粧台ができる。

昭和42年位
幅広で座るタイプの
一般家庭向け洗面化粧台ができる。

昭和50年位
今の形の洗面台ができる
(当時は高さが720mm)

昭和60年位
シャンプードレッサーができる。
(朝シャンブーム)

 

  現在のスタイルの元となった昭和60年(1985年)の『シャンプードレッサー』は、洗面化粧台でシャンプーするためにTOTOが開発してヒットした商品ですが、当初は、小物が洗える大型の洗面台として売り出されました。なかなか売れ行きが伸びずにいたところ、当時1980 年代半ばには、朝食を抜いてもシャンプー(洗髪)する女子高生が大半をしめているとのトレンドがあり、各地で女子高生を中心に朝シャンブームが起こっており(これはシャンプーメーカーが発売した朝専用シャンプーなどがきっかけでした)、TOTOのその大きな洗面台で、毎朝出かける前に髪を洗っているとのことで、これに合わせ、『シャンプードレッサー』というコンセプトを掲げ、再度売り出したところ、これがブームに乗って大ヒットしました。大容量の洗面ボウルと、ホースが伸びるハンドシャワー式吐水口はこの時に誕生し、温度調節はサーモスタット式を初めて搭載されました。また、排水口は、髪を詰まらせないようにヘアキャッチャーが搭載されました。

1986 年には行為としての「朝のシャンプー」(略して「朝シャン」)が流行し、1987 年、「朝シャン」が新語・流行語大賞にも選ばれました。初めてリンスインシャンプーなるものが登場し、流行しました。

 

 

 この大型洗面ボール台は、TOTOを皮切りにほぼ各社同時発売しています。洗髪できる洗面台は、現在でも引き継がれており、一般的な洗面台となりましたが、もし朝シャンブームがなければ、洗面台もまた違った形になっていたかもしれません。なお、『シャンプードレッサー』はTOTO㈱の登録商標です。

 

 

出典元:TOTOミュージアム